文字というものは情報を記録し、伝達するための道具としての役割を持っていますが、文字そのものを鑑賞する文化もあります。日本や中国では墨と筆で文字を記す「書」が、伝統的文化、芸術として伝えられています。墨と筆で書いた文字を見ると、不思議に心が落ち着きます。そしてまた、筆を持って紙に向かうとなぜか静かな気持ちになるものです。

そんな体験を子どもたちにもさせたいと思い、毎年「書き初め」を行っています。書道の心得のある保育者が丁寧に指導します。大きい子たちは文字を、文字の書けない小さい子たちは「○（まる）」を、墨と筆で半紙に書きます。大きな文字、優しい文字、大きな○、小さな○、それぞれに個性が出ます。それらの作品を展示し、保護者の方々に見ていただくのが「墨のあそび展」です。