
核家族化が進行した現代社会では、子どもたちとお年寄りが触れ合う機会は少なくなっています。八王子ふたば保育園では「世代間交流」として、市内の老人施設を訪問したり、園行事に地域のお年寄りを招待するなど、子どもたちと地域のお年寄りとの交流を積極的に行っています。

平成17年度の終り頃に試験的に行った老人施設訪問でしたが、施設側からも歓迎され、翌年から定期的に訪問するようになりました。今では市内の複数の施設を訪問しています。施設のお年寄りの方でも小さな子どもたちとの触れ合いはとても楽しいひとときであるらしく、心待ちにされているお年寄りも少なくないようです。

あるときの施設訪問の際、一人のお年寄りから保育園の職員が一筆箋を手渡されました。毎月、保育園の子どもたちが来てくれるのが楽しく、その気持ちを歌に詠んでみました、とのこと。その歌をご紹介したいと思います。
えんじらのいもんはうれし子どもたちの訪問の嬉しさを歌に詠んでくださったという、そのお気持ちが保育園としてもたいへん嬉しく思います。ありがとうございました。
月一度笑いながらに
ハグしてくれる
〔原文ママ〕

初めての施設訪問のとき、子どもたちはお年寄りとの話のきっかけがなかなか見つかりません。
「何か訊いてみたら?」と同行した保育者がアドバイス。
「何を訊いたらいいの?」
「何でもいいのよ」
しばらく考えて、訊きました。
「大きくなったら何になりたいですか」
同行した保育者も見守っていた施設の職員の方も笑いを抑えきれません。
でも訊かれたおばあちゃん、さすがに年の功です。
「お姫様になりたかったわねぇ」と答えてくださいました。